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2025/11/12
レンコンで就農地域に支えられ【ネットワーク東海11月2週号】
レンコンで就農地域に支えられ/移住先の三重に恩返しを/坂津舞樹さん・明和町
明和町でレンコンを栽培する坂津舞樹(さかつまき)さん(35)は、父と2人で畑約1.7㌶を管理している。実家は代々レンコン農家を営み、地元山口県に住む姉たちも同じ作物を手がける。
移住して数年経った2023年、たくさんの人に良くしてもらった三重県に恩返しがしたいと考え始めた坂津さん。耕作放棄地や離農の増加、高齢化による後継者不足という農業の課題を知り、幼い頃から見てきたレンコン栽培で三重県に貢献しつつ、家族も養っていこうと就農を決意した。
地元農家との出会いも大きな支えとなった。土作りの基礎からトラクターの公道走行に必要な運転免許取得に関する知識、肥料の扱いなど農業に関するノウハウを一から丁寧に教えてくれたという。「土地を借りる際も、持ち主の元を何軒も一緒に回ってくれて、心から感謝しています」と当時の思いを話す。
借り受けた農地は、一般的な作物には不向きだったが、レンコンにはむしろ理想的な環境だと感じた。また、この農地の特性を生かしてレンコン作りをすれば、地域の活性化にもつながると確信した。
当初は実家でも行っていた〝土掘り〟での収穫だったが、山口県のレンコン農家に勧められた〝水掘り〟にも挑戦し、現在併用しているという坂津さん。水掘りは高圧ポンプで泥を飛ばしながら掘る方法で、夏場でも比較的涼しく収穫ができる。水圧のおかげで体の負担も軽くなるため、作業効率も上がる。「レンコンを掘る作業は、宝探しみたいで本当に楽しく、大きいレンコンが取れた時はすごくうれしい」と日々の大変な作業を明るく笑い飛ばす。
坂津さんは「ここは居心地が良く、終(つい)のすみかにしたい。自分の生活のためだけでなく、支えてくれた父や子供たち、地域の方々に恩返しできるような農業を続けたい」と意気込む。
