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2025/09/05
ドローンでカメムシ防除【ネットワーク東海8月4週号】
家族で水稲22㌶/ドローンでカメムシ防除/西村洋人さん・亀山市
【三重支局】「手間を惜しまず、安心でおいしいお米を多くの人に届けたい」と話すのは、「八十八家(はちじゅうはちや) 神米(かんべえ)」代表の西村洋人(ひろと)さん(22)。亀山市山下町で水稲約22㌶を栽培する。
幼い頃から田んぼが大好きな〝農業っ子〟。小学生の頃には草刈りや田植えも手伝い、自然と農業に親しんできた。中学卒業後は父・賢司さんが働く金属加工会社に就職。5年間勤務したが、祖父・勝さん(83)の入院をきっかけに農業の道へ本格的に進むことを決意した。洋人さんは「当時、迷いはなかった。おじいちゃんの容態も安定し、現在は祖父、父、兄、伯父など家族みんなで米作りに励んでいる」と笑顔で話す。
運送会社を経営しながら農作業に励んできたという勝さんは「誰もしていないことをしていくことと、相手を一番に考えることが大事。自分が元気なうちに良い土地をたくさん買って、環境を整えてあげたい。とにかく頭を使って仕事を」と話す。農業技術だけでなく、経営方法についても伝えているという。
「良い作物は良い土から」という勝さんの教え通り、前年に刈り取った稲わらや選び抜いた土壌改良材を使い、ふかふかな土作りを行う。現在は慣行栽培の「コシヒカリ」や特別栽培の「ササニシキ」のほか、ハクサイも栽培している。
生産者名「神米」には、地元・神辺地区(旧神辺村)への強い思いが込められている。祖父から受け継いだ技と誇りを胸に、地域に喜ばれる米を届けたいという願いから「神辺」の〝神〟と〝米〟を組み合わせた。
アルバイト従業員の櫻井祐輝さん(34)は「米の成長を見るのが楽しい。規模も大きいので勉強になる」と話す。
洋人さんは今年6月に小型無人機(ドローン)の免許を取得。慣行栽培の圃場でカメムシの空散に活用するなど、スマート農業にも力を注ぐ。「味を落とさず、効率良く作業していきたい。今後は、規模拡大とともに正社員制度も視野に入れ、みんなが明るく楽しく働きやすい環境づくりをしていきたい」と意気込む。
〈2025年8月4週号 東海版〉