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2025/06/17

水稲と麦を大規模に【ネットワーク東海6月2週号】

水稲と麦を大規模に/農家が楽しむ姿を/米勝ふぁ~む・三重県鈴鹿市

 【三重支局】鈴鹿市にある「米勝ふぁ~む」の田中勝也(かつや)代表(52)は、従業員5人と共に水稲42㌶と麦40㌶、野菜数種類70㌃を栽培する。営農を通じた最終目標は地域の活性化。「市を盛り上げるには、まずは町から」と話す。
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 2018年に兼業農家として就農した田中代表。水稲70㌃ほどを父から引き継いだ。今では担い手として、地域の中心的存在だ。「始まりは自家用で食べる程度だったが、高齢化の影響もあり耕作を任されることが増えた。毎年10㌶ずつ増えているような感覚」と笑顔で話す。
 耕作面積が増えてくると農業が楽しくなり、専業に切り替えた。「一番のきっかけはお客さんからの声。『めちゃくちゃおいしかったよ』という声で、やりがいがどんどん大きくなった」と振り返る。
 耕地がある鈴鹿市石薬師町は、県境を走る広大な鈴鹿山脈の麓に広がる。ミネラルを多く含む水と粘土質な土壌が、おいしい米を育む。農薬使用の減少を強く意識し、出穂以降の農薬散布を特に抑える。収穫後は注文を受けてから精米。安全・安心と新鮮さが売りだ。
 販売先は一般客や市内外の飲食店など。リピーターも多いという。販路拡大の一因について「口コミの広まりかな」と話す田中代表。「ここのお米がおいしいからと、勤め先のホテルで仕入れるよう直談判してくれたお客さんがいた」と話す。
 農園のさらなる知名度向上にも余念がない。北勢地域のイベントを中心にキッチンカーで出店し「肉巻きおにぎり棒」や「おにぎらず」を販売。訪れた客が「お米がおいしかったから購入したい」と農園の常連になることも珍しくないという。田中代表は「意外な接点が仕事につながったり、お客さん自身が評判を広げてくれたりすることが多く、ありがたい」と笑顔で話す。
 また、地元農家と共に田植え・稲刈り体験を毎年実施。今年も4月21日、石薬師小学校5年生34人による田植えを受け入れた。田中代表は「元々主催していた人がやめることになり、耕地とともに引き継いだ。児童たちの歓声と、生き生きと指導する農家。なくなってしまうのは寂しいから続けたい」と話す。
 石薬師地域の農業共済の損害評価員を務める市川正之さん(72)は「石薬師は田中君に支えられている。今年から耕地が隣同士。若い従業員が農業に取り組む姿を見ると励みになる」と話す。「朝市を開いて規格外野菜を販売したり、地元の農作物を集めた直売所の運営をしたり、やってみたいことはいろいろある」と青写真を描く田中代表。「農家の楽しそうな姿を見てもらう場をつくりたい。地域が元気になるし、若い人が農業をするきっかけになれば」と話す。

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