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農業共済新聞

土着天敵を放飼 化学農薬抑制【ネットワーク東海8月2週号】

2021-08-11

 津市一身田大古曽にある直売所「つみたて工房」代表の塚本太郎さん(45)は、園芸施設21.5㌃でイチゴをはじめとした各種農作物を栽培している。県内ではなかなか目にかからないドラゴンフルーツやパッションフルーツ、バナナのほか、バンレイシとして主に台湾で有名な釈迦頭(しゃかとう)など熱帯果実を栽培し、直売。珍しい品目に試行を重ねながら、栽培方法の模索が続いている。



↑ドラゴンフルーツの出来を見る塚本さん


 幼い頃を名古屋市で過ごした塚本さん。実家が家庭菜園をしていたことから、農業に興味を持っていたという。
幼い頃に覚えた農業の楽しさや新しい発見を忘れられず、農学系の学部が設置されている大学に進学。学生時代から研修生として農業の経験を積み、学びを深めた。


 大学時代に県内農業に触れ、「在住しながら農業をしたいという理想をここでならかなえられる」と思い、三重県で農業することを決意。「イチゴを育てるだけではお客さんに飽きられてしまう」と考え、ドラゴンフルーツにパッションフルーツ、バナナ、釈迦頭などの珍しい品目を手掛けるようになった。



↑旬のパッションフルーツ


 日々挑戦する塚本さんは、さまざまな品種の栽培に取り組む分、数多くの失敗をしたという。今ではその経験が大きな糧となっている。
「失敗ばかりでくじけそうになった時があったが、応援してくださる方がいたから乗り越えることができた。新しい品種は分からないことが多い。その一方で、新しい発見があるからこそ、さまざまな品種の栽培にチャレンジし続けたい」と話す。
新しい発見は自身の楽しみだけでなく、楽しみに待っている消費者への喜びへとつながる。何度も挑戦する度に自らの方法を見つけ、少しずつではあるが、栽培方法がつかめてきたという。


 塚本さんは「作物が自然の形で成長することが理想。農薬に頼ってしまうと、自然の形を守り切れない」と話す。
栽培しているイチゴは自然に近い環境で栽培しており、有機肥料だけを施用。全品目で化学農薬をほぼ使っていないことが、強みだという。全品目の栽培過程で害虫を捕食す土着天敵をうまく活用し、化学農薬の使用量を抑えている。
さまざまな経験と多くの失敗を重ね、試行を繰り返し、少しずつ理想へと近づいている。今後は「現在の栽培面積を最大限に活用することが目標。現状では、まだ8割ほどしか活用しきれていない。最大限に活用することができれば、将来的には規模拡大に力を入れたいと考えている」と話す。

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