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農業共済新聞

多くの緑に感謝しながら【ネットワーク東海1月4週号】

2021-01-27

 「自然と日々向き合い、理解しようと努めている農家だからこそ、自然や環境問題に対して取り組めることがあると思っている」と話すのは、「HATAKEYA」の川﨑亮太さん(34)、麻里さん(33)夫妻。いなべ市で就農して3年目、駆け出しのベンチャー農家だ。

 HATAKEYAでは圃場1.8㌶で、農薬や化学肥料を使用せず、キャベツやサトイモなど年間20品目を栽培。季節に合わせた野菜を年間通して育てている。「旬で新鮮な野菜を食べ、野菜は本来おいしいものだと知ってほしい」と話す。

 亮太さんが農業に興味を持ったきっかけは、大学卒業後に青年海外協力隊として訪れたエチオピアでの体験だった。「現地は農を中心とした自然に根差した暮らし。人間として、どう生きるべきかを自問するようになった」と話す。帰国後、会社勤務を経て、有機栽培農家の下で研修を受け、農の道に進んだ。


↑「自然を毎日観察し、感性が磨かれている」と話す亮太さん㊧

 麻里さんも同じく青年海外協力隊として、ウガンダで野菜栽培の普及活動に携わった。帰国して就職した農業系の会社を通じて、亮太さんと出会い、結婚。その後、良質な黒ボク土と商圏が近いことが決め手となり、夫婦でいなべ市へ移住したという。

 川﨑さん夫妻は、「就農1年目はとにかく勉強した年。全国の農業者を訪れ、多くの考え方や経営を学んだ。今では日本中にお手本がいる」と笑顔で話す。農地を探すことにも苦労したが、市内を何カ所も訪問する中で、地元の人と話す機会が増えた。それが地域との関係づくりにつながったという。

 「就農2年目は学んだことを自分たちの畑にアウトプットする年だった」と話す亮太さん。「蓄積した経験とご縁によって販路が広がり、商品をブランド化でき、売り上げもアップした。多くのご縁に感謝している」と振り返る。出荷先は地域の直売所や生協、宅配サービスを行っている業者など。品目を絞り、ロットをまとめて出荷するなど、作業の効率化にも努めている。


↑「3年目の今では経営が軌道に乗り、正社員の募集を始めた」と話す川﨑さん夫妻

 「植物の体の仕組み、多様な野菜一つ一つの生き方、土壌や肥培管理、虫や病気など、農業をきちんと科学することで野菜の品質や作業の効率をより上げていきたい」と話す。

 また、「自然と日々向き合う農家だからこそ、野菜を作って売ること以外にも、何か発信できることがあるのでは」という亮太さん。農業とは無縁だった当時、自然という切り口で新たに興味が芽生えた経験から、「自然は本当に面白いし、学ぶこともたくさんある。その気付きのきっかけを農家という立場から提供できるようになりたい」と話す。

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