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農業共済新聞

交流人口増やし活力を【ネットワーク東海9月2週号】

2019-09-13

「先輩たちは経験が豊富なので吸収していきたい」と嶋谷さん


 「自分が栽培したトマトを『おいしい』と言ってもらえると、農業でしか味わえないやりがいを感じます」と話すのは、いなべ市地域おこし協力隊員の嶋谷(しまや)賢(まさる)さん(26)。

 2018年4月にオープンしたいなべ市立田(たつた)農園では、地域おこし協力隊が運営の中心を担う。嶋谷さんは地元従業員や地域の人たちと共に、美しい森と豊かな水が湧く環境で野菜を栽培し、遠方の市場や市内の直売所に出荷している。

 嶋谷さんは大阪府の出身。神奈川県のイベント会社勤務を経て、今年4月に地域おこし協力隊として赴任した。農業は未経験だったが、都会から離れて暮らしたいという思いに加え、祖父母のゆかりの地である三重県によく来ていたため、移住することに不安は無かったという。 

 篠立地区にある立田農園は、農産物の生産販売を軸に、高齢者の生きがいづくりやイベントによる地域交流など、持続的で発展性のある事業展開が特徴だ。市外の人を対象にした貸し農園では、初心者でも気軽に野菜作りができるため、週末農業を楽しむ人に利用されている。

皮が薄く、甘みがあるプチぷよ


 農園内にはビニールハウスが立ち並ぶ。栽培する品目はミニトマトを中心に、食用ホオズキやリーフなど地域では珍しいものが多い。
 特に、皮が薄く甘いトマト「プチぷよ」は、完熟した果実の長距離輸送が難しいため市場にはほとんど出回らない希少種だ。「まるで高級さくらんぼのように甘く酸味が強くないため、トマトが苦手なお子さんにも食べてもらいやすいんです」と嶋谷さんは話す。

ハウス7棟のうち4棟でトマトを栽培


 篠立地区は農業の担い手の減少とともに、高齢化が進み、農家はサルやイノシシの獣害に悩む。NPO法人が運営するこの農園では、ビニールハウスを最大限に生かした作物の開発と生産に加え、農園の整備で市外からの交流人口を創出することで、篠立地区の活力向上を目指す。
 「毎日朝から農園にいるので、妻も笑ってしまうくらい真っ黒になりました」と笑顔で話す嶋谷さん。地域から農業に新しい風を吹かせることを期待されている。

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