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農業共済新聞

ネットワーク東海7月4週号【地域の風習を守り抜く】

2019-07-29

バインダーで刈取る角谷社長


 注連縄(しめなわ)は一般的に正月飾りとして扱われているが、伊勢志摩地方では玄関や神棚に一年中飾る風習がある。度会郡玉城町中角(なかつの)では注連縄作りが盛んで、7月上旬になると材料の中心となる青いわらを収穫するため、水稲の青刈りが始まる。

 (有)角谷産業の社長 角(かど)谷(や)吉(よし)崇(たか)社長(41)は、水稲を6㌶作付しており、そのうち3㌶が注連縄用だ。約10名の従業員と青刈り作業を行っている。

運びやすいように大きな束にまとめる


 「コシヒカリ」、「イセニシキ」を中心に5品種を青刈りし、注連縄に使用する箇所に応じて、わらを使い分ける。
 刈取りは水稲の出穂前。圃場では、角谷社長が操作するバインダーが束ねたわらを従業員が四つほど手に取り、ひもでくくりあげて大きな束にする。わらの青さを長期間維持するため、刈取り後はすぐに乾燥機のある倉庫まで運ぶ。乾燥作業後も湿気を避けるため、注連縄の製作時までは風通しの良い場所で保管する。

 製作作業は12月の店頭販売に向けて行うため、繁忙期は11月頃から。しかし、夏場の青刈りも大変な作業だ。「夏の暑さの中、作業はすべてが力仕事。とにかく大変」と話す角谷社長。午前4時から刈取りを始め、午前8時頃には乾燥機に詰め込む作業が終わるように暑さ対策を講じている。

 青いわらで制作された注連縄は好評だが、近年は高齢化などの影響で注連縄農家が減少している。「周囲でもわらを収穫する農家は減っている」という角谷社長。「これからも青刈りを続けたい」と話す。

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