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農業共済新聞

農福連携で地域に活力【ネットワーク東海5月2週号】

2019-05-15

 農業の担い手の減少とともに、障がい者の就労場所の不足は近年いわれ続けている課題だ。両問題を同時に解決する方法として、農業と福祉をつなぐ〝農福連携〟への期待が高まっている。
 松阪市八重田町で農福連携を展開する「社会福祉法人まつさか福祉会多機能型事業所八重田ファーム」を取材した。

農作業場が建設され作業も行いやすい


 社会福祉法人まつさか福祉会多機能型事業所八重田ファームは2006年、向野園八重田分場で障がいを持つ人たちの作業所として開設。利用者の能力や適性に合った就労支援を行う。障がい者の療法として農作業を取り入れ、就労継続支援B型6名、生活介護10名が汗を流す。
 当初、職員も農業は未経験。周りの農家やJA松阪伊勢寺店と協力し、試行錯誤しながら技術を高めた。

カボチャの苗を定植する利用者


それぞれ作業は担当を決めて行う


 イチゴのハウス栽培(章姫、桃薫30a)を主軸に、ヒノナ、カボチャなどの野菜や金ゴマを作付けし、栽培面積は2㌶に及ぶ。利用者は一年を通して適性に合った作業を行う。高齢などで耕作をやめた近隣の人から田畑を提供してもらうなど、耕作放棄地の再生にも一役買っている。
 収穫した作物は、産地直売店やスーパーへ出荷する他、作物ごとに企業と出荷契約を結ぶ。障がい者が作った作物が付加価値として受け入れられることで、安定した収入にも繋がっている。

事業所内の加工室で作るいちごジャム


 また、事業所内の加工室でジャムや漬物を製造するなど6次産業化にも取り組む。「『障がい者に農作業が出来るのか』と、視察等で尋ねられることも多い」と話す前田佳孝施設長(48)。「健常者以上のこだわりが良い結果を生んでいる。彼らの持つ力は想像以上だ」と話す。
 利用者の障がいに合わせて作業を細分化することで、自発的に作業が出来るようになり、一人一人が責任感を持ち、仲間意識も生まれるという。

 今年1月、県内の福祉事業所では初めて国際規格のASIAGAP認証を取得。農業生産者として認められたとの思いも高まったという。前田施設長は「農業活動を通じて、利用者が地域の人たちに受け入れられていると感じる」と話している。

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