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農業共済新聞

産地振興を図る【ネットワーク東海9月2週号】

2018-09-11

坂口取締役(中)と研修生の村澤さん(左)、武田修二さん(48)(右)



 県紀南地域は自然に恵まれ、「年中みかんのとれる里」として知られている。しかし、近年は農家の高齢化や担い手不足による、柑橘類の出荷量の減少と耕作放棄地の増大が問題となっているという。

 紀南地域では2008年に、JAと市町、県が広域的に連携して「三重南紀元気なみかんの里創生プロジェクト協議会」を立ち上げ、新規就農者を受け入れる取り組みを展開している。

 15年10月に、熊野市・御浜町、紀宝町を管内とするJA三重南紀が出資をして、農地所有適格法人(農業経営を行うために農地を取得できる農業法人)である株式会社オレンジアグリ(御浜町)が設立された。
 かんきつを中心とした地域農業の維持と振興を図ることが目的。主な事業は、①新規就農者研修受入れ②農作業受託③農産物の生産と加工、販売――だ。

 同社では、みかんづくりに興味があり、新規就農や法人への就職を考えている人を募集している。
 研修から就農までの流れは、最初に2日から1週間程度、実際に農作業を体験をし、農業への適性を判断してもらう。次に就農に向け、1年間の研修。農業に関する基礎的な知識と技能、年間の農作業について学ぶ。研修終了後は、同社が管理する優良園地で経営を任せる「のれん分け」を行い、ある程度の収益が見込める状態で修了者を送り出す。

研修生の村澤さん(右)に指導する坂口取締役(左)



 現在、全くの未経験で関西方面から来た研修生2人が、柑橘栽培を基礎から学んでいる。
 研修生を指導するのが、同社の取締役で作業部門を担当する坂口勇さん(75)。坂口さんは、長くJAの営農指導員として柑橘栽培に携わってきた経験から、知識と技術ともに豊富で、その温厚な人柄から研修生に「名人」と呼ばれ慕われている。

 坂口さんは、「うちならば、初心者でも一年かけてじっくり学ぶことができる。やる気さえあれば、のれん分けで独立し、柑橘栽培の経営を目指せる」と強調する。
 「初心者の自分を受け入れてくれて、とてもありがたい。自然豊かで皆さん親切にしてくれる。坂口さんの指導も丁寧で毎日やりがいがある」と研修生の村澤雅弘さん(46)。「8月から7園地をのれん分けしてもらえることが決まっており、温州ミカンの味1号と極早生品種、かんきつの『セミノール』と『カラ』などを栽培する予定で頑張らないといけない」話す。

 また、同JAの営農振興部長で同社の山本裕二理事(50)は、「人手不足などの問題もあるが、産地として積極的に取り組まないといけない。わが社が実施する丁寧な研修とのれん分けのセットで、新規就農者を増やしたい。
 将来的な目標として売り上げ3億円規模の地域の担い手となることを目指したい」という。同社は来年の収入保険にも加入予定で、今後も担い手確保に努めていく。

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