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農業共済新聞

食で築く交流拠点 【ネットワーク東海3月2週号】

2017-03-16

 2016年11月にいなべ市北勢町阿下喜に「上木食堂」がオープンした。元々旅館だった古民家をリノベーションし、料理には同市の八風農園やゆうき農園を始め、地元の野菜や肉が使われている。

上木食堂を共同経営する寺園さん㊧と松本さん㊨

 「自分たちが栽培した野菜を多くの人に食べてもらえることがうれしい」と話すのは、いなべ市藤原町の寺園風さん(29)。幼い頃から自然が好きで、農業高校を卒業後、東南アジアを10ヵ国旅して回った時に農業に対し強く関心を抱き、自ら農業経営をすることを志した。2013年に就農し、休耕地や畑を借りて八風農園を5㌶経営している。

 土地探しで、四日市市から近江八幡を繋ぐ八風街道に自分の名前の「風」が付くことに縁を感じて訪れ、そこでいなべ市の知人を通じて場所を紹介された。その縁から農園名を自分の名前の「風」に末広がりの「八」という意味を込めて「八風農園」と命名した。旬な野菜を中心に年間約80種類栽培している。農薬や化学肥料を使わず、地域の資源や自然の循環機能を活かし、自然な野菜を目指している。「種類が多いので、管理が行き届かず失敗することもあるので改善したい」と寺園さんは話す。

 市の中心地にある阿下喜地区の、廃屋となった旅館を知人に紹介され、ここをお店として開業したいと決意した。そこで友人の松本耕太さん(28)と共にリノベーションし、「上木食堂」を開店した。店名の由来は地元の地名「阿下喜」の昔の呼び名「上木」を使い「上木食堂」と付けた。

 2人は年齢も近いということから意気投合し、松本さんは店長兼料理人として店づくりを担当し、店内のレイアウトやメニュー開発などを手掛けた。元々旅館だったことから家具なども再利用し、趣のある落ち着いた空間に仕上がっている。

八風農園で野菜を収穫する寺園さん

 料理に使われる野菜は、寺園さんが経営する八風農園や、同市にあるゆうき農園から仕入れている。寺園さんが生産し、松本さんが店を営業するという共同経営を行っている。また昼は喫茶店、夜は居酒屋として営業している。地元のお客さんだけでなく、遠方から訪れる人も多く、賑わいを見せている。

 「食を通して、みんなが気軽に集まれる場所をつくりたい。新しい野菜を使った料理のリクエストをしています」と松本さん。地元の野菜を中心とした料理の品は豊富で、旬な野菜や珍しい野菜を松本さんがどんな料理にして提供するのか楽しみだと寺園さんは期待する。

 寺園さんは「農業を通じて知り合った生産者と、自分たちで作った食材だけが並ぶ食卓を仲間と囲みたい。今後は野菜の種類を増やし、視野を広げ野菜に限らず様々な食材も自分で作りたい」と意気込んでいる。

食堂内は大盛況。遠方から訪れる人も多い

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