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農業共済新聞

人が集い地域に元気 【ネットワーク東海7月1週号】

2016-07-06

 古代米の稲で絵を描く「小又の田んぼアート」。過疎、高齢化の進む山間部に元気を取り戻そうと始めてから、今年で11年目となる。昨年はネットで情報を得た見学者が、宮城県や東京都、埼玉県などの遠方からも訪れるなど、熊野市の人気スポットとなっている。

小畑さん㊧と向井さん

 きっかけは三重県熊野市飛鳥町小又の「小又の田んぼアート」担当者の小畑貞文さん(78)が、和歌山県田辺市の本宮大社でご新神米「紫米」の種を譲り受けたことだった。「最初は1人で始めましたが失敗の連続でした。試行錯誤しながら挑戦し、5人、10人と応援してくれる仲間が増え、今では15人。田植えを始めるまでの準備も2日間でできるようになりました」と小畑さんは話す。

 最初は簡単な模様で始め、工具や機械の物差しなどを利用するなど工夫し、網目状にデザインすることで簡単にアート作品が出来上がるようになった。遠近法を活用し、30m離れて6m上から見た時に作品が立体的に見えるように設計されている。

 昨年は10周年を記念し、「小又の田んぼアート10年の歴史」と題し、近隣の公民館など二十数か所で写真展を開催し、田んぼアートの魅力を発信した。

今年の設計図。右が熊野古道(川の参詣道)で利用されていた「三反帆」。左は干支の「申」

 2011年からは作品を公募しており、今年は和歌山県新宮高校二年生の尾田ちひろさんの「三反帆」、地元飛鳥小学校6年生の中田桜さんの干支の「申」の2点の作品が選出された。特に「三反帆」については、世界遺産熊野古道(川の参詣道)で利用され和歌山県と三重県をつなぎ、両県の希望を背負って出航するという想いをデザインした。

 5月21日には、飛鳥小学校の児童や県内外の家族連れら計77人で、田植えが行われた。参加者らは泥だらけになりながら、9種類の古代米の苗を手作業で植えた。

 今年は、作品が良く見えるように見学台「むさし」を新設した。高さは東京スカイツリー(634㍍)にちなんで6.34㍍。

昨年の作品「ブリ」

 「年々、知名度も増し、昨年は約2千人の方が田んぼアートを見学に訪れてくれました。従来の品種で満足せず、新しい品種を数種取り入れ、色の変化などのデータを取っています。苗の管理は難しく苦労もありますが、田植えや稲刈りに大勢の方が参加してくれ、お祭り気分で出来て楽しいです」と小畑さんは話す。

 また「ビオトープ小又」代表の向井岩夫さん(62)は「田んぼアートは稲穂の生育とともに変化します。7月中旬頃に1回目、9月上旬頃に2回目の見頃を迎えます。今は見えていませんが、収穫前には3匹のアユも出現します。今後は古代米のわらでしめ縄を作り商品化したいです」と話す。

ビオトープ小又が近くで管理する「めだかの学校」では、メダカをはじめ、さまざまな水生生物を見ることができる

 ビオトープ小又では今後もブログを使って色づき具合などを順次公開し情報発信する。また、稲刈り体験は9月24日(土)を予定。(雨天の場合翌日に順延)

 ▽問い合わせ先=小畑貞文さん(℡0597・84・1006)

 ▽ブログ=http://tanboart.blog.fc2.com/

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