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農業共済新聞

獣害ゼロを目指して 【ネットワーク東海4月1週号】

2016-04-13

 亀山市の北西部には鈴鹿山脈があり、面積の半分を山林が占める。同市関町は山間部に位置し、イノシシ・シカによる水稲などの農作物への被害が年々多くなっている。

捕獲したイノシシと飯田さん

 飯田さんは現在、水稲約3㌶を作付している。近所でわな猟をしていた方の勧めで、会社員をしていた55歳の時に狩猟免許(わな猟)を取得し、指導を受けながら狩猟を始めた。

 当初はくくりわなを使用していたが、現在は箱わなだけで猟をしている。くくりわなだと、山中では猟犬が、田畑の近くでは飼い犬や飼い猫がかかってしまうことや、設置するには住民との調整が必要になるなど課題があるためだ。

 使用する箱わなは、本人が設計し、地元の鉄工所が作成したオリジナル品。餌も、市販のイノシシ用餌と米ぬかを混ぜて、イノシシとシカのどちらも箱わなに入るよう工夫している。

 現在箱わなは、土地の所有者の了解を得て、田畑の近くや林道の脇など集落の周辺を中心に、大小合わせて15個を設置。三重県の狩猟期間である2015年11月1日~2016年3月15日の間に、イノシシ27頭、シカ27頭を捕獲した。過去には一度にイノシシの親子6頭が、大型の箱わなに入っていたこともある。

 イノシシは、3年前までは狩猟期間中に50頭ほど捕獲していたが、ここ数年は捕獲数が減り、シカの捕獲数が多くなった。イノシシが民家の多い平野部へ移動してきたことにより、今まで獣害のなかった地区に被害が出ている。そのため被害がでた地区の農家から駆除の依頼が来るようになった。

 現在、捕獲しても解体・食肉処理できる施設がないため「皆が使える施設があれば特産品として販売することもできるのだが」と話す。

捕獲したシカと飯田さん

 また昔との違いについて「猟を始めた頃は、イノシシもシカも山奥にいたが、年々山から下り、今では人里近くに現れるなど生息範囲が変わってきている。そのため箱わなを仕掛ける場所が山の中から人里近くへと変わっている」と話す。

 飯田さんの住む集落では、田畑を囲むように電気柵を設置している。しかし、シカが柵を乗り越え田畑を荒らすため、水稲を作らなくなった農家もいる。「電気柵だけでなく、もっと現状にあった方法を考えないといけない」とも話す。

 関町では15年度に新たに2人がわな猟の狩猟免許を取得した。「被害を無くすためにも、後進を育てていきたい。また定年後の人が多いため、もっと若い人に猟をしてもらえたら」と飯田さんは話す。

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