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農業共済新聞

ふるさとを応援 【ネットワーク東海9月2週号】

2015-09-09

 三重県の南部、熊野市育生町に「熊野薬草園」はある。家庭用・業務用洗剤などを取り扱うサラヤ株式会社(本社大阪)の創業者である故更家章太氏のふるさと熊野市への地元貢献を目標に、1990年7月に子会社として創設。以来、地元雇用の創出など社会貢献を果たしている。
 

梅酒のラベル貼り作業

 「熊野薬草園」の創設当時はシャクヤク、カンゾウなどの生薬を栽培していたが、現在ではトマト、ニンニク、熊野特産柑橘「新姫」などを栽培している。敷地内にはビニールハウスや果樹園、廃校になった中学校校舎を利用した事務所兼作業場や旧保育所を利用した食品加工所など、地元資源を活用した施設が立ち並ぶ。

 同園では地元出身者が多く働いており、過疎化の進む地域の貴重な働き場となっている。「私は10年ほどここで働かせてもらっています。近くに働く場所があり、とてもありがたいです」と話すのは、かつて中学校が廃校となる前、学校給食を作っていた女性だ。

 熊野市と連携した農業研修生受け入れの実績もあり、そのうち1人が市内での新規就農につながっている。

責任者の山本さん(奥)と作業員の女性

 2千平方㍍のトマトハウスでは岩石を高温で再形成したロックウールを苗床として使用しており、無菌状態による病害虫発生の抑制や、使用した培養液を回収して再利用できるなどのメリットがある。なかでも「富丸ムーチョ」という大玉の品種は県内でも栽培農家が少なく、同園の主力商品となっている。完熟で収穫しても日持ちするのが特徴。購入者からの評判も上々で市内スーパーや産直施設などで購入ができる。「うちのトマトは価格が少し高めに設定されていますが、薬草園マークのついた商品ということでリピーターが多くいますよ」と同園責任者の山本弘二さん(59)は話す。
 
 2009年に熊野市がどぶろく・リキュール特区に認可されたことを受け、12年から梅酒の製造に着手。地元熊野産の南高梅とサラヤ製品の自然由来甘味料「ラカントS」を使用した、砂糖をいっさい使用しない「ラカント梅酒 熊野古道」が誕生した。年間約5千本を製造している。

 こうした長年の取り組みが認知され、近年では三重県内の企業と農山漁村の共生関係づくりを支援する「ふるさと応援カンパニー推進事業」でとりあげられ、雇用創出などの社会貢献や、付加価値のある商品開発などが期待されている。「今後の目標は地元雇用している作業員の高齢化への対応です。また本社サラヤと一体化した販売体制の確立などを目指していきたいです」と山本さんは話す。

 (連絡先 熊野薬草園0597-82-1226)

熊野市特産かんきつ「新姫」

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