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農業共済新聞

原木シイタケに心込めて 【ネットワーク東海2月1週号】

2015-02-04

 四日市市山城町で生産される原木シイタケ。そこで「原木シイタケの魅力を広め、後世へ残していきたい」と笑顔で話す野呂食品の若きシイタケ職人である野呂純也さん(38)は、4人の従業員とバーベキュー場を備えた原木シイタケ山で、シイタケの生産・加工販売をしている。

原木シイタケを手に野呂さん

 野呂食品は、シイタケの栽培を始める以前は雷おこしなどを作る製菓会社であった。岐阜県海津市でシイタケを栽培していた親戚の手伝いがきっかけとなりシイタケの生産を始めた。また、製菓会社が保有していた菓子の製造機械を用いてシイタケの加工・販売を手掛けることとなった。

 現在3万本の原木シイタケの栽培を行っているが、毎年その内の1万本を入れ替える。使用後の原木は昆虫飼育用のチップとして再利用される。補充として県内・県外のクヌギ・ナラを仕入れているが、仕入れ先の安定的確保に苦労しているため、将来的には休耕田の活用として120㌃のクヌギの植林を計画している。

 原木は重量があるため体力仕事だが、農薬や化学肥料を使わない木の養分だけで育つシイタケのために労をいとわない。遮光ネットを設けた収穫ハウスでは、春・秋の温度・湿度となるように環境管理を行っている。シイタケは夜に成長するため夜間の湿度は80%に設定する。昼と夜の寒暖差の中で肉厚でアワビのような食感の美味しいしいたけが育つ。

 収穫されたシイタケは、せんべい、つくだ煮、しいたけの粉末をトッピングした塩等などに加工され、インターネットなどで買い求めることができる。また、三重県を代表する観光地である伊勢神宮のおかげ横丁へ出店をし、シイタケを串に刺した天ぷら「しいたけ棒」を販売している。「しいたけ棒」は、水を使わずに焼酎を衣に混ぜて揚げられている。この調理方法は卸先である銀座の天ぷら専門店で学んだ技術で冷めてもサクサク感が残り、衣としいたけの旨味が参拝者に好評で、よく売れているとのこと。2012年10月には「しいたけ棒」の商標登録がなされた。

 観光地に出店し、マスコミにも取り上げられたことから、原木シイタケが知られるようになったが、08年に就農したときは収益があがらず苦労がたくさんあったそうである。しかし、自らテレビ局の番組に売り込みをかけるなどPRにつとめ、原木シイタケの魅力を発信したかいがあり、対面販売だけでなく通信販売も好調となっている。

シイタケの加工食品

 今後の展望は、「クヌギの植林・シイタケ栽培・使用済原木のチップ化など、原木シイタケ栽培の循環化が確立されれば後進へのビジネスモデルにもなる。」と意気込む。また、「第6次産業として原木シイタケの生産・加工・販売だけではなく、シイタケレストランを作り、より多くの人に原木シイタケの魅力を知って食べてもらいたい」と力強く話す野呂さんだ。

▽問い合わせ=野呂食品株式会社 
℡059-337-0008

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