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農業共済新聞

IT生かして経営支える 【ネットワーク東海5月4週号】

2014-05-28

 「どんどん情報を発信して、お茶の魅力や作り手の思いを伝えたい」と話すのは、三重県度会町で茶の生産と販売を行う有限会社中森製茶の中森久美子さん(33)。農業・茶業の厳しい状況が続く中、長男の妻として独身時代に培ったパソコン技術と持ち前の行動力を生かし、農業とITを融合させた新しい「農家の嫁スタイル」確立を目指す。

 5㌶の茶園で主に「やぶきた」を栽培し、市場への出荷と直売を行う中森製茶。

結婚前は東京でシステム開発のマネジメントをしていたという久美子さん。かすりの茶娘の衣装で長女の美葉流(みはる)ちゃん(6)と

 4月下旬から5月上旬にかけては一番茶収穫の真っ盛りだが、久美子さんは、通販サイトの運営やブログ「茶娘日記」での情報発信を含む事務全般を任され、家事・育児の時間以外はパソコンの前で仕事をしている。

 特に力を入れるのが通販サイト「茶娘どっとこむ」での販売だ。「お得な大量パックもいいが、おいしく飲みきれる量がほしい」という意見に応え少量パックの商品を展開したり、送料を安く抑えるために全ての商品発送をメール便対応可能にするなど工夫を凝らす。

 一方、生産農家の強みを生かし新製品の開発にも力を注ぐ。今年3月から販売している「お伊勢さんの玄米ほうじ茶」は評判も上々だ。

 「家業に貢献する方法は農作業だけではないと思います。生産や販売など現場の人が、業務に集中できる環境整備に努め、農業をバックオフィスから支えたい」と思いを語る。

 中森製茶では10年ほど前から新茶の手摘み体験も実施している。5月3日に開催した今年の手摘み体験には県内外から約30人が参加した。

 参加者は、久美子さんの夫で中森製茶取締役の中森大(まさる)さん(37)から指導を受け、新緑の新芽を丁寧に摘み取った。名古屋から参加した親子は「新芽は本当にきれいで柔らかいですね。摘み取る瞬間のプチッとした感触がたまらない」と楽しそう。

参加者が収穫した新芽を集める大さん。このかご一杯で約5㌔

 この日は2時間ほどで約15㌔を収穫。とれた新芽は煎茶本来の製法である手もみ茶の原料になる。

 「手摘み体験を通してお茶の魅力や奥深さを感じてもらえたらうれしい」と話す久美子さん。今後の目標は「お客さんへ直接販売する機会を増やしたい。お茶を単なる飲み物としてだけでなく『笑顔をつなげるツール』として生かせる提案をしたい」と張り切る。

 これから夏にかけては、「ペットボトル用の茶こしで作る冷茶」がおすすめという。「甘みとうま味が引き立ちますよ」と久美子さんは話している。

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